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  掲示板におけるトラブル
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今回のテーマは掲示板におけるトラブルの実情です。掲示板システムは、雑誌や新聞の投書欄のように編集者によって事前審査を受けることも編集される事もなく、ユーザーの意見がそのまま即座に公開されることがメリットでもあるわけですが、その反面、無責任な情報や他人の権利を不当に侵害するような発言も後を絶ちません。また、いざそうした投稿がなされた場合に、掲示板管理者の運営姿勢ひとつで、被害者に大きな負担が生じることも特徴と言えます。 掲示板トラブルで最も多いものは誹謗中傷やプライバシー侵害ですが、一般的に、他人が管理する掲示板でそうした投稿がなされた場合に被害者に及ぶダメージは次の特徴を持ちます。

驚異的な情報伝搬性
情報が繰り返し再配布される
ストーカー等の二次的犯罪への発展
多大な精神的苦痛
訴訟に関しての金銭的・時間的負担

これより具体的な相談事例を紹介しながら、それぞれのトラブルにどのような対処が可能なのかを見て行きましょう。


事例1:名誉毀損

相談事例

2ちゃんねる」の掲示板において、私の上司が、事実無根の情報をリークされて困っております。 内容的に見て、犯人はその部下に間違いないことは分かっていますが、証拠がつかめず、本人も知らぬ存ぜぬと開き直っていまして、対応に困っています。これによって、上司の社内での立場にも影響があり、何とかして、容疑者が犯人であると確定できうるような証拠を掴みたく思っております。どのようにさせていただいたら良いでしょうか?PCが苦手な上司に代わって、部下の私がメールしました。

これは典型的な誹謗中傷の事例ですが、書かれた場所が「2ちゃんねる」であるだけに対応は困難を極めます。こうしたケースの場合の考え方は、まず掲示板に書かれた内容が、誰もが上司がどこの誰であるかを特定でき得る程の具体的な内容で、かつ名誉を毀 損する内容であるならば、刑法上は「名誉毀損罪」に該当しますし、民法上は不法行為による賠償請求の理由になり得ます。ただ、いずれにしましても掲示板への投稿者を特定する必要がありますが、その際には「2ちゃんねる」の管理者より「投稿者の通 信ログ」の開示を受ける必要があります。実はこの部分が一番のネックで、警察以外からのログの開示請求には一切応じない場合には、刑事事件として警察で捜査をしてもらい、最悪の場合は裁判官の発する令状を用意する必要があります。しかしそこまで行っても、最終的には「2ちゃんねる」のサーバーで投稿記事ごとのログを保存していないケースもあり、それまでの作業が全くの無駄 足に終わることも珍しくありません。

今回の場合では、加害者に心当たりがあるようですので、逆にその人物の通信記録や通話記録などをもとに捜査を行い、容疑が濃厚と判断できた時点でパソコンなどを押収する強制捜査を行うほうが現実的ではないかと思われます。もちろんその場合でも、「2ちゃんねる」への書き込み時にインターネットカフェなどを使用していた場合には自宅のパソコンの押収は意味をなしませんけどね。まずは最寄の警察本部のハイテク犯罪対策センターに相談してみることが一番だと思います。


事例2:肖像権侵害

相談事例

掲示板で私の写真を勝手に転載されました。その写真はもともと掲示板で私の手で公開していたものですが、その時のデータを取っていた誰かが今頃になって批判目的で勝手に掲載し、その掲示板のURLを張り付けて、さまざまな批判がされている状態です。こういう場合、警察に相談すればいいんでしょうか?

特定の人物を写した写真には、その被写体の肖像権や、それを撮影した人の著作権があり、無断でこれを転載した場合には民法上の不法行為として損害賠償を求める事は可能です。しかし刑法では定義されていないので、肖像権侵害だけで警察が介入することはないでしょう。また、今回は批判目的で転載されたとのことですが、写真の内容自体を批判する目的なのか、被写体であるあなた個人を批判する目的なのかによって見解は異なりますが、いずれにしても、その写 真の人物がどこの誰であるかが明らかにされていない限りは刑事的に訴追して行くのは困難です。よってまずは、投稿者またはその掲示板の管理者に対して削除依頼を通 知し、削除されない場合は、その掲示板が設置されているサーバーの管理者に対して削除依頼をすることになるでしょう。これまでの民事裁判例によりましても、掲示板の管理者が、その掲示板において他人の権利を侵害する事実を知りつつ、しかも、被害当事者からの削除依頼を受けているにも関わらず、意図的にこれを放置した場合には、一定の損害賠償責任を負う結果になっています。


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